『やさしい世界』をつくるために、
今何ができるのか。
2009年の立ち上げより、わたしたちの活動を「ホールドのないロッククライミングのような日々」と例えたことがありました。同時に、平坦な道のような安心した状況は来ない、だからこそ動き続けよう、新しいことに取り組んでいこう、とも宣言し、力いっぱい時間の許す限り、社会を1mmでも良くするために、世界を包み込む未曾有の事態を経ながらも「やさしい社会」をつくるために活動をし続けてきました。そして、設立から14年、自身の活動としても、社会的にも、激動であった活動となりましたが、創業者の瀧内が次のステージに進むために、株式会社コトトの活動を終えることにしました。これまでの中心的な活動であった、地域に住む人たち自身による地域をより良い方向へ向かうための活動を支援する取り組みは、一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブに、場に接続された、心地よい関係性をつくる取り組みは、ミリグラム株式会社に移管します。応援、ご指導いただきました皆さまには心から御礼申し上げます。
2023年9月30日
株式会社コトト 代表取締役 瀧内貫
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株式会社コトトは、長野県長野市を拠点にクリエイティブワーク(各種広告やウェブサイト、空間のデザイン)や、ソーシャルグッドのための活動やプロジェクトの企画コーディネート(プロジェクトマネジメントやコミュニティデザイン)を手がけるほか、他業種とのアライアンス企画などの自主事業を展開するデザイン事務所です。
2013年に長野市篠ノ井でスタートし、2020年で活動を一区切りとするまでの間、長野県内各地で開催してきた「まちの教室」への関わりや、2020年に最初の緊急事態宣言下にスタートし、声だけの対話をするオンライン企画「コトトバ」での対話などを通じて、多様な価値観を認め合える「包摂性」について語り合ってきたような気がしています。この「包摂性」を対話のなかでの言葉を借りて説明するのならば、「多様な価値観を認め合える幾つもの『ものさし』を持っている個人が増えること」であり、私たちのアクションが、その先にある「『やさしい世界』につながっていく」ためのものであればと願っています。これまでに依頼されてきた仕事の中でも、多様な人たちがそれぞれにとって最適な暮らしやはたらきかたを得ていく場をつくっていくことや、公共空間のあり方や行政施策についての対話の場から、これからの公共、コモンズを考えていくような、社会自体のあり方と再構築の方法を問われるような機会が数多くあったことを振り返りながら感じています。
そこで、設立10周年を迎え、さらに多くの方との協働を目指して「コトト」と社名を更新すると同時に、ミッション・ビジョン・バリューではなくパーパスの設定を、と考えていたことから発展し、私たちは社是のような「問い」を置くことにしました。まずはこれからの10年、私たちはコトトバでの対話と同じく、コミュニティを横断し、セクターを超え、状況を悲観しすぎることもなく、来たるべき未来を軽々に語らず、いま必要な「思考」を紡いでいくための対話や試みを、さまざまな依頼や自主企画を通じても、問い続けたいと思います。
健やかでまっとうな『やさしい世界』をつくるために。
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商号
株式会社コトト
設立
2009年7月27日
本社所在地
380-0836 長野県長野市南県町644-8 県ビル2F